メキシコ日本文化センター
メキシコ日本文化センターは国際交流基金(ジャパンファウンデーション)の海外事務所の中では規模が小さく、文化会館や文化センターのように文化事業を開催する施設は所内にありません。このため各種の催しはメキシコの様々な文化芸術機関と協力して開催する方法が中心となっています。
2007年の後半は、7月に映画監督今村昌平氏の作品10本の特集上映を国立シネマテーク(Cineteca Nacional)と共催で行ない、延べ約3,200名の観客を集めました。また、オルメカ(Olmeca)文明に関する遺跡出土品で知られるベラクルス(Veracruz)州のハラッパ人類学博物館(Museum of Anthropology in Xalapa)では7月から9月まで伝統陶芸展(Exhibition of Japanese Traditinal Pottery)を開催。日本の優れた伝統美術品をメキシコの地方都市で紹介する貴重な機会を持つことができました。
10月には若手の二十五弦筝奏者である中井智弥(Tomoya Nakai)氏と久野木史恵(Fumie Kunogi)氏のユニットによるコンサートをメキシコシティで開催。メキシコにおけるクラシックの殿堂ともいえる国立芸術院(Palacio de Bellas Artes)の中の小ホールとメキシコ市が管理する劇場の2会場で行われたコンサートは双方とも満席となり、日本の伝統と現代性を融合した美しい音楽に観客からは盛大な拍手が送られていました。
11月には絵本作家の五味太郎氏によるワークショップをメキシコの公共出版社と共同でメキシコシティとグアダラハラ(Guadalajara)市で実施。参加者の創意を生かしたワークショップに、子供だけでなく大人の参加者も含めてとても楽しいひと時を過ごしていた様子でした。
この他、メキシコ国内の地方都市における日本語弁論大会や、日本をテーマとした学術会議、日本のアーティストが参加する舞台芸術公演など、この秋に開催された様々な分野の文化芸術関係の催しに対しても協力を行ないました。